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引きこもりは統合失調症が原因かも|無力感を感じる人は要注意

引きこもり気味or引きこもりになってしまっている人へ。『統合失調症』を知っていますか?引きこもりは『統合失調症』が原因になっている人はとても多いんです。「無気力感がなくならない」「他人が悪口を行っているように感じる」「集中力がなく、飽き性」当てはまったら、統合失調症かもしれません。

全国で100万人以上?『引きこもり』の定義とは

引きこもりは自室や自宅にこもり、仕事や学校に行かず、家族以外の人とコミュニケーションをほとんどしない状態が続いていること。

「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と呼んでいます。

引用:厚生労働省

一人で買い物や遊びに行ける人でも『家族以外との交流がない』&『仕事や学校に行っていない』なら引きこもりと言われています。

引きこもりになる原因?統合失調症とは

統合失調症とは、「幻覚」や「妄想」が特徴の精神疾患の一つです。

思考や感情にまとまりがなく、正常に機能していても欠けている状態です。

ほとんどが気づかないほどのズレで、自分自身やまわりの人が統合失調症になっていることに気付きにくい

むかしは「精神分裂病」「早期痴呆」とも呼ばれていて、治らない病気だと言われていました。

うつ病との違いは?

よく統合失調症と間違われるのが『うつ病』。特に躁うつ病(双極性障害)は似た部分があり、見分けがつきにくいです。

躁うつ病は躁状態と呼ばれる”気分が高揚している状態”と、うつ状態と呼ばれる”気分が落ち込み感情が低下している状態”がある病気。

かんたんに言えば「テンションが高い時」「死ぬほど落ち込む時」があるがうつ病です。

統合失調症も幻覚や幻聴をはじめとする”陽性症状”無気力なうつ状態の”陰性症状”があり、一見すると一緒に見えます。

大きな違いは躁うつ病が気分による変化をするところにあります。

統合失調症はあくまで思考の障害なので、変化が起こるタイミングの違いで見分けることができます。

100人に1人は統合失調症?

厚生労働省が調べたデータによると、統合失調症の患者数は「100人に1人弱」の割合で発症し、受診中の推計患者数は79.5万人いると言われています。

発症する年齢は10代後半〜30代が多く、10代後半から20代がピークと言われています。

中学生以下の発症例は少なく、40歳以降にも少ない。どちらかと言えば若年層に多い病気なのです。

発症の頻度に大きな男女差はないとされてきましたが、診断基準に基づいて狭く診断した最近の報告では、男:女=1.4:1で男性に多いとされています。男性よりも女性の発症年齢は遅めです。

引用:厚生労働省

統合失調症の症状・特徴

統合失調症の症状は、主に「幻覚」・「妄想」・「無気力感」があります。

急激な症状ではなく、少しずつ、ちょっとずつ起こる慢性的な症状がほとんどで、本人だけでなく周囲の人も気付きにくいことが多いです。

いつの間にか統合失調症になっていしまい、引きこもってしまう…。

統合失調症の特徴に当てはまったら、要注意です。早めに病院にいって、診断してもらってください。

統合失調症の症状「幻覚・幻聴」

幻覚とは、実際にはないものを感じてしまうこと。

見えないものが見えてしまう”幻視”や聞こえないはずのものが聞こえる”幻聴”などがあります。

統合失調症に多いのは幻聴や幻声といった「聞こえないものが聞こえる」症状。

「誰もいないのに声が聞こえる」や「他人から悪口を言われている気がする」幻聴・幻声がほとんどです。

「お前は馬鹿だ」などと本人を批判・批評する内容、「あっちへ行け」と命令する内容、「今トイレに入りました」と本人を監視しているような内容が代表的です。

引用:厚生労働省

幻覚や幻聴と聞くと「見えないものが見える」…いわゆる非合法薬物のトリップ状態のような「幻視」をイメージする人も多いと思いますが、間違いです。

統合失調症の症状「無気力感」

やる気がなくなったりや感情の起伏が薄れる『無気力感』は統合失調症の主症状の一つ。

目の前のことに対する興味や関心も少なくなるので、”今までやっていたこと”や”これからやらなきゃいけないこと”を放置してしまうこともあります。

落ち込んでいるとか昂っているとかではなく、そもそもの感情表現が乏しくなるので…。

周りの人からしてみると無感情・無表情な人に見え、リアクションが薄く感じられます。

やる気が起きず、話す気も起きず、自閉的になってしまうのが統合失調症の症状と言えるでしょう。

統合失調症の症状「集中力の低下」

『集中力の低下』も統合失調症の症状の一つ。

思考や感情にまとまりがなくなるので、会話中の話題もあさっての方向に行ってしまいがちになります。

会話の内容が支離滅裂になり、話題の内容がころころ変わって相手を混乱させてしまうこともしばしば。

なにかを継続することも苦手なので、パッと見は”飽き性”な人に見えてしまいます。

統合失調症の症状「妄想の悪化」

妄想が止まらなくなるのも統合失調症の症状の一つ。

自分の中からわき起こる疑念だからこそ、周囲から見て非現実的なあり得ないことだったとしても、本人にとってはリアルに感じられてしまうのが特徴です。

統合失調症の特徴「薬を嫌がる」

『薬を飲むと眠くなる』ことを嫌がり、処方される薬を飲まなくなる傾向があります。

統合失調症で処方される薬は”抗精神病薬”と呼ばれ、不眠や不安を落ち着かせるための”鎮静催眠作用”があるものもあります。

落ち着かせるための『眠くなる感』が嫌いで、薬を飲みたくない。

直接の症状ではありませんが、薬を飲まなくなる人が多いのは統合失調症にかかった人の特徴です。

*Needy編集部の統合失調症にかかったことがあるメンバーも薬を飲まないタイプで、

「頭にモヤがかかって考えられなくなる感じが嫌い」と語っています。

統合失調症になる原因やきっかけとは

統合失調症になりやすい”きっかけ”はあっても、原因ははっきりしていません

脳の変化が原因の一つであるという説があり、環境や遺伝によって脳の構造が変化したため起こる病とも言われています。

同じ経験や体験をしても、発症する人もいれば発症しない人もいます。

統合失調症になる原因はあくまで”こういう時になりやすい”というきっかけでしかありません。

統合失調症になるきっかけ「遺伝」

 

統合失調症になる理由の一つに『遺伝』があると言われていますが、実際には遺伝だけで決まるわけではありません

出産時に問題があったからといってイコールで統合失調症になるわけではないです。

とある調査によれば、統合失調症の母親から生まれた子どものうち、同じ病気を発症するのは約10%程度だと言われています。

ただ、統合失調症そのものではなく”病気のなりやすさ”は遺伝的なものであるという説もあります。

統合失調症になるきっかけ「人生の転機」

統合失調症は『進学・進級・結婚・就職』といった人生にとって節目となるタイミングで発症しやすいと言われています。

とはいえ、人生の転機は全ての人が経験するもの。

”時期がきた”から発症するというわけではなく、転機を迎えたタイミングは精神に負担がかかりやすく、発症しやすくなる可能性がある程度です。

精神に負担がかかったからといってすぐに発症するわけでもなければ、ストレスが直接の原因という研究結果も見つけられませんでした。

あくまで統合失調症になる原因は人によるところが大きいと言えるでしょう。

なぜ統合失調症が引きこもりに繋がるの?

統合失調症の特徴をご紹介してきましたが、引きこもりな人が必ずしも統合失調症にかかっている訳ではありませんし、

統合失調症になってしまった人が必ずしも引きこもりになるとも限りません。

ですが、統合失調症の症状には「引きこもりになりやすい」要因が多く存在するのも事実。

なぜ「統合失調症」が「引きこもり」に繋がるのか。関連性や経緯をご紹介します。

「行かなくて良い」→「行きたくない」

統合失調症は学校や仕事への興味が薄れている(無関心)状態なので、「わざわざ好んで行きたくないし、行かなくても良い」思考になりがちです。

興味がないことを無理にやらせようとしたら、嫌いになるのは当然ですよね。

学校や仕事だって興味がなければ苦痛だし、他に興味があることがあればそちらを優先したいのは必然です。

それでも、家族や知人が「学校に行って欲しい」と外に出そうとするため…。

引きこもり当初は「他にやりたいことがあるし、なんとなく行くのが面倒」くらいだった気持ちが「行きたくない」に変わってしまうことも珍しくありません。

コミュニケーションが苦手になる

引きこもりになる原因の一つが『家族以外とのコミュニケーションを取らなくなる』から。

そして、統合失調症の人は「思考や感情がまとまらない」「感情の表現や共感が苦手になる」ので、コミュニケーションを面倒に感じる人が多いです。

実際には会話ができていたとしても、普通の人の想像以上に体力を持っていかれています

気を使って人とコミュニケーションを取ろうとして、余計に疲れて…。次第に会話自体が嫌になっていく。

その点、自宅なら家族以外と話さなくて良いし、家族なら気を使う必要はありません。

自宅に引きこもるようになるのは、他人との会話に疲れてしまうからなのです。

他人への疑念が外れない

統合失調症の人が引きこもる原因の大半は「精神的に疲れてしまう」から。

そして、疲れる理由の一つが『他人を信用できなくなるから』です。

周りにいる人が自分を騙そうとしているんじゃないか、攻撃してくるんじゃないか…。

「他人を信用できない」「周りが敵だらけに感じる」状態なため、警戒しすぎて疲れているのです。

統合失調症の状態によっては、幻聴としてリアルに聞こえてしまうため…。信用しろと言われても無理があります。

それこそ家族ですら信用できないので、自室からも”出れなくなる”のです。

統合失調症を治して引きこもりを抜け出す方法

統合失調症の治療は、病気の状態によって変わります。

幻覚や妄想が激しすぎて、早急な治療が必要なら『薬物療法』で症状を抑える必要がありますし、

日常生活がある程度できるレベルであれば、社会復帰のための『心理社会的療法』を行う場合もあります。

実際に筆者も利用したことがある引きこもりを抜け出す方法をお伝えします。

仕事を始める

引きこもりに必要な”外に出るためのきっかけ”。『仕事』を外に出るきっかけ作りにしている人は多いです。

仕事はコミュニケーションや集中力を鍛えることもできますし、実益(給料)があるからやる気にも繋がります。

もし引きこもり状態から仕事を始めるのであれば、いきなりフルタイムから働くのではなく、毎日2時間くらいから徐々に始めていくようにしてください。

急激に仕事を入れると、ストレスなり社会を嫌いになる原因になってしまいます。

少しずつ仕事を入れて外に出る理由を作り、コミュニケーションの楽しさや生まれてきた目的を見出せれば、引きこもりを脱却できるはず。

引きこもり支援制度を使う

「引きこもり支援制度」は国が運営する引きこもりの人やその家族に対する支援事業の一つ。

生活困窮者自立支援制度や訪問支援といった支援や社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士をはじめとする専門家による支援が受けられます。

先ほど解説した「引きこもりは仕事をきっかけに外に出ると良い」にも関連しますが、

できれば就職・アルバイト先も、統合失調症やうつ病に対して理解のあるところが理想的です。

仕事自体の難易度も低いものが選べるので、久しぶりの仕事や初仕事に不安がある人は頼ってみるのがおすすめです。

厚生労働省ーひきこもり地域支援センター

病院で診断を受ける

統合失調症が原因の引きこもりの場合、当然ですが治療してからの社会復帰が理想です。

繰り返しになりますが、まず病院に行き、統合失調症であるかどうか診断してもらうことを忘れないようにしてください。

特に統合失調症は”慢性的な病”なので、薬を飲めばすぐ治るのではなく、ある程度の期間が必要になることがほとんどです。

他の病と同様、早期の治療を受けた方が治りは早いので、

「統合失調症の特徴に当てはまるかも…?」と思ったら病院で診断してもらうようにしてください。

引きこもりが長期化した場合は注意が必要

引きこもりと統合失調症は長期化しやすく、自力での復帰が困難になるケースが非常に多いです。

ですが、どちらも治らないものではありません。適切な治療を受けることで改善され、社会復帰できる例も増えています。

統合失調症になっている本人自身の気持ちも周囲の人の意思も。全員が納得でき、理解して治していけるように。

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