ダブスタとは
『ダブスタ』とは、英語の「ダブルスタンダード(Double Standard)」の略。相手によって異なる基準を使い分けることを指す言葉です。日本語では「二重規範」や「二重基準」と訳されています。
例えばAさんには「○○ちゃんって可愛いよね」と言うけれども、Bさんには「○○ちゃんって可愛くないよね」というように『相手や立場によって主張をコロコロ変える』人ような形です。
基準(スタンダード)が二重(ダブル)に存在する状態で「ダブスタ」。「二枚舌」や「八方美人」が似た意味に当てはまります。
ダブスタの事例
ビジネスシーン
ここでよく問題になるシーンの一つに仕事の現場、つまりビジネスシーンでのダブスタがあります。片方の部下には怒っても、もう片方には甘いなど、当人だけでなく見ている周囲の人にも偏っていることが分かるような姿勢をとっていると、人としての資質や信用問題にも発展しかねません。また、人には厳しく注意していることを、言っている本人が堂々とやってしまう、なども危険なダブスタの一つです。ビジネスヒーンで厄介なのはそれを立場の上の人がしている場合、下は口を出すことができない、というパワハラに近い問題行動になってしまうことです。
恋愛
次に、ダブスタが横行する場面として多いのが、恋愛です。自分は相手にどっぷりと依存してるのに、相手には自立を求めるなど、矛盾が起きやすいもの。そして仕事と違い、相手のことが好きだからこそ盲目的にその辺りを許してしまうことも、恋愛におけるダブスタの特徴だといえます。相手を束縛しがちな人が、自分は束縛されるのを嫌ったり、結婚間近の恋人が自分の家族とは仲がいいのに、相手の家族を非難する、など、恋愛関係においては非常に多くのダブスタが発生しがちです。失恋すれば、いかにその関係が矛盾していたかが分かるかもしれませんが、大切なのは相手のことが好きで関係を長続きさせたいなら、こうしたダブスタに早く気づいて互いに気をつけることがその第一歩です。
家庭環境
ダブスタされた時の対処法
距離を置いて関わらないようにする
ダブスタをよく用いる人は、生活態度をみていればすぐに分かるものです。そしてダブスタを振りかざして人を困らせる多くの人が、他人が何を言っても聞く耳を持たない偏屈さんです。相手に代わってもらおうとするのは、容易でなことではありませんし、そこまでして余計な労力を使うのは賢くありません。「触らぬ神に祟りなし」といいますが、まさにその通り。被害を受けないためには、何事も不用意に近づかないのが一番いいのです。家庭の中で回避することはなかなか難しいかもしれませんが、仕事や恋愛に発展しそうな場面においては、所詮他人。見極めて、早々に距離を保つようにするのが得策です。
「そういう人なんだ」と割り切る
かといって、社会の中で横行するダブスタ。うっかり晒されてしまった時はどうしたらいいでしょう。シンプルにいえば、あまり深く考えすぎないことです。晒されてしまった後も、これ以上被害を被ることのないように、その人に対して感情を持ち込む必要は一切ありません。「変わった人だな」程度に流し、自分とはあまり関係ないと思いましょう。そして今後は近づかないよう、注意することが大切です。相手に何かを求めようとするのは、第二の被害を産んだり、関係がこじれてあなたまで評価を落とす事態になりかねません。「こういう人もいるよね」と離れるが勝ちなのです。
公平に接する
うっかり晒されてしまった場合、流せばいいと分かっていても人間ですから、ことによっては相手のダブスタにムカつくこともあるでしょう。もし余裕があるなら上手に出てもいいかもしれません。つまりどんなに相手が矛盾した勝手な言い分を振りかざしても、自分は大人の対応で徹底して公平に接するなど、相手をギャフンといわせる作戦です。周りからみても、いかに相手が幼稚かがはっきりと分かるのでみんなのイライラも代わりに解消できるかもしれません。しかし、あまり深入りして目をつけられることのないよう、要注意です。
ダブスタは悪いこと?
今ではビジネスシーンだけでなく、家庭や友人関係などの日常生活や、SNSなどネットの中でもよく聞かれるようになったこの「ダブスタ」という言葉。
しかし側からみれば「矛盾」が生じている状態になるので、あからさまにしない、現場によって変える、などうまく使い分けないとトラブルの元になりかねないのが、ダブスタの危険なところ。例えば、家庭でのスタンスと仕事でのスタンスを分けたり、オンとオフをうまく切り替えたりというように、一見矛盾しているようにみえても、「それはそれ、これはこれ」と周囲も納得するような、上手な使い分けができていないと「勝手だ」と思われてしまっても仕方ないのです。