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ダブルバインドを利用して恋愛の駆け引きを上手に進めて【恋愛心理学】

愛しくて堪らない恋人を自分だけで独占したい。 良くないのは分かっていても、好きすぎて束縛してしまいたい…。 恋人を独占したい人は、【ダブルバインド】を試してみましょう。恋愛・仕事術でも活用できる「ダブルバインド」をご紹介します。

強力な束縛法「ダブルバインド」とは?

「ダブルバインド」は強力な二面性を見せつけることで相手を縛ります。

ダブルバインドとは

ダブルバインド(英: Double bind)とは、ある人が、メッセージとメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況におかれること。この用語はグレゴリー・ベイトソンによる造語である。引用:Wikipedia

簡単に言えば「矛盾した二つのコミュニケーション」。これを受け続けると相手は混乱し気持ちが縛られていきます。

ダブルバインドのコミュニケーション例

「俺の事だけを見てろよ」→「なんで俺以外見れないんだ!?」

「好きだからいつも側に居てね!」→「いつも近くでベタベタしないで!」

「いつも言うこと聞いてくれるの嬉しい!」→「なんで言うことしか聞けないの!?自分で考えて!」

矛盾するコミュニケーションに混乱してしまった結果、人は「正常な判断が出来なくなります」。矛盾するコミュニケーションに対してストレスを受けつつも、相手から離れることを「考えられない」状況ができ上がってしまうのです。

余談ですがダブルバインドは日本語に直すと「二重拘束」です。より重みが増して恐ろしい雰囲気になりますね。

なぜダブルバインドから離れられないのか

ダブルバインドにかかってしまうと抜け出す事は困難です

自分に対して肯定的な「プラス感情」を与えられたとします。「褒められる」「頼られる」「笑顔を向けられる」などがそうですね。

基本的に人はポジティブな感情を与えられると、相手と一緒に居たくなるものです

ですが逆に否定的な「マイナス感情」を与えられたとします。「バカにされる」「怒られる」「敵意を向けられる」などの嫌な行為です。

ネガティブな感情を与えられると“嫌われてる”と思い、基本的に相手と距離を置きたくなるでしょう

矛盾した感情に戸惑った結果、どちらも選べないから

どちらか一方だけを与えられた場合、相手の傍にいるのか決めるのは簡単です。問題はポジティブな感情とネガティブな感情の2択が同時に迫ってきた場合です。

相手を信じたい気持ちと信じられない気持ち。好きだと思う気持ちと嫌いだと思う気持ち。

矛盾した二つの思いが育ってしまうと自分の本心が分からなくなり、決断ができなくなります。結果「相手から離れることを選べない」という訳です

DVから逃れられない人はダブルバインドで縛られてる

ダブルバインドの一番分かりやすい例がDV(家庭内暴力)を受けている人です。

DVを受けていた人のニュースはTV番組や雑誌等でよく目にする機会も増えましたね。はたから見ると「なんで暴力(DV)を受けながら離れられないの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

その理由は「ダブルバインドで縛られてしまっているから」

DVはかなり合理的な暗示になっている

「お前なんか消えてしまえ!」「お前のせいで!」といった暴言や暴力といったマイナスの行為だけを見たら、離れる気持ちが芽生えるのは当たり前です。

その一方で「やっぱりお前が居ないとダメだ…」「ごめんな、悪かった。見捨てないでくれ、お前が好きなんだよ…」など相手の自尊心を満たすプラスの行為があると、相手は離れたくない気持ちが生まれてしまうのです。

DVの後の仲直りこそが実は一番の強力なダブルバインドの暗示になっているのです

関係性が近いからこそ絶縁するストレスが大きい

家族や恋人といった大切な関係であればあるほど、「相手のことを信じたい」気持ちが誰にでもあるはず。離れ難い関係だからこそ”相手の良い面を信じたい、探したい”と思ってしまいますし、一緒に過ごしていく中で少しでも良い思い出があれば情も湧いてしまうでしょう。

悩んでも中々離れる踏ん切りがつかないのも、納得の結果です。

ダブルバインドの実践方法【心構え編】

ダブルバインドは恋愛において真っ当な切り口ではありません。ダブルバインドを使うということは、相手の情緒を壊すことになります。

自分が意図して”相手を消耗させ正常な判断力を奪い取る”ので、何度も相手を笑顔にしては何度も泣かせることになるのです。

ダブルバインドを実践することは体力的にも精神的にも消耗しますし、相手の泣き顔を見て良心が痛むこともあるでしょう。

それでも幸せと不幸を狙って与えるのです。サイコパスのような異常人格でない限り、仕掛ける側も恐らくまともな精神状態ではいられなくなります。

仕掛けるなら支払うべき代償

実践する時は以下の3点は覚悟しておいてください。

①相手に対してたくさんの時間を取られること

②擦り減る相手を見て同情しないこと

③本当の意味でのお互いの幸せは築けないこと

リスクを背負う分得られるリターンも大きくなるのです。

ダブルバインドは詐欺師も使うくらい効果は絶大

ダブルバインドは本当に強烈なテクニックなので、売れるホストや詐欺師も「可哀想だけど金の為」と思って実践してるケースは多いです。

ダブルバインドを仕掛ける側も段々相手が可哀想だとも思えなくなってきます。何とも思わなくなった時には、お互いにまともではなくなっているのかもしれません…。

いずれにしてもダブルバインドは非常に強烈なので、実践すれば効果は絶大です。当然、リスクや代償は支払うことになります。覚悟を決めてから実践してくださいね。

大きく感情を揺さぶることを意識する

ダブルバインドを仕掛けるポイントは相手の感情を「大きく揺さぶり続けること」

相手へプラスの感情を思いっきり与え、マイナスな感情も思いっきり与えます。マイナスから入ると相手は離れるため、まずは相手にgiveすることです。

相手のことをたっぷり幸せにさせて、幸せが最高潮のタイミングでぶち壊しにかかります。これは落差が激しいほど大きく効いていきます。

大きな感情ほど相手はあなたに依存し出す

【幸福と不幸】というのは強烈に人間の脳に焼き付いていくもの。その一つ一つが相手に強い衝撃を与えます。

例えばギャンブルが好きな人は、ハマればハマる人ほど感情の浮き沈みも激しいはずです。ギャンブルは「勝つと幸せ、負けると不幸」の間を強く揺れ動いているからです。

ダブルバインドのポイントは「小さな幸せや不幸」を与えるのではなく、思い切り大きく相手の感情を揺さぶりにいくことです。

感情が大きく動けば動くほど、相手は平常心を失い混乱するとともに、強烈にハマり依存します。あなたから抜け出せなくなるまで、しっかり「飴と鞭で調教」してあげましょう。

ダブルバインドの実践方法【実践編】

実はダブルバインドには良い使い方もあります。例えばビジネスシーン。ビジネスで営業をかけたり意中の人をデートに誘ったり、生きていれば何かと交渉の機会は生まれます。

ダブルバインドは交渉という場において、上手く使えば相手より有利を取れる上に応用が利きやすいという、とても便利なテクニックなのです。

交渉で使う分には後ろめたいことも無いはずなので、悪い使い方に抵抗がある方は押さえておきましょう。

こちらに有利な選択肢だけを作り出す

「2つのうちどちらを選んでも同じ結果になる選択肢を作る」ことが、交渉におけるダブルバインド

例えば相手をお風呂に入れたい時「今すぐお風呂に入る?それとも食後にお風呂に入る?」と聞けば相手はどちらを選んだとしても、自分でお風呂に入るのを決められますよね。

このように選択肢を作って相手に選ばせてることで、相手が望む方向に動いているように見せること。

「相手が望む選択をしているようで、結局こちらが望む方向に進める」のが良いダブルバインドです

デートに誘うには「〇〇に行く?それとも〇〇にする?」

デートに誘うなら「デートに行こうよ」と言うよりも良い誘い方があります。

「食事に行くなら和食を食べる?それとも洋食を食べにいく?」とダブルバインドを使って誘導する方が、誘いの成功率は上がるのです。

なぜなら、「デートに行こうよ」だと「行くor行かない」の選択肢になるため行く確率は50%ですが、ダブルバインドを利用すれば「行くor行く」になるため行く確率は100%になるのです

絶対ではないが狙い通りに進む確率は上げられる

もちろん使えば何もかもが上手くいくなんて、ダブルバインドは都合の良いものではありません。

ですが、誘いを成功させる確率は簡単に上げることができるテクニックです

恋愛で使えるケースでいうと、「寝るならホテルに行きたい?それとも俺の家がいいかな?」と提示して夜を共に過ごしたり、「電話するなら朝と夜どっちがいい?」と電話につなげてみたり。

いくらでも応用が利くテクニックなので、ぜひ自分の使いやすい型を探してみてください。

確実に成功させるコツは「どちらを選んでも相手は得をする」

ダブルバインドは強引なテクニックのため、下手に使い過ぎると相手に強引な印象を与えてしまい失敗する可能性が出てきます。

ダブルバインドを成功させる為のコツは【どちらを選んでも相手は良いことがある】という、選択肢を作ってあげること。

例えば相手が寿司と焼肉が好きなら「今から寿司か焼肉食べに行くならどっち?」と提案すれば、相手はどちらを選んでも好きなものが食べられます。

ですが相手が寿司も焼肉も好きでなければ、「行かない」という選択肢になり誘いは失敗になります。選択肢を提示するときは相手の好みのリサーチも忘れずに

成功の鍵は相手への思いやりの心

相手にとって良い選択肢を用意するには、しっかり相手に興味を持って相手のことを考えてあげるのが重要です。

なので交渉でダブルバインドを使う場合は、「思いやりの気持ち」を持つのが一番の成功の鍵になります

相手が興味あるものを提示し望みの選択肢を与えることで、嫌な強引さを感じさせずに思い通りに動いてくれます。

【番外編】ダブルバインドを解く方法とは

ダブルバインドでDVや依存関係に縛られてしまった場合の対策をお伝えします

一番の対策は「関わらない」

プラスな感情でもマイナスな感情でも、相手に関わっていれば必ず感情は揺れ動くものです。

縛り付けてくる人に感情が振り回されっぱなしのままでは、まず絶対に正常な判断は出来ません。なので一度冷静になるために、相手との関わりを失くす事を意識してみてください

頭を冷やしてこの関係が幸せなのか振り返ること

「連絡をやめる」「会うのをやめる」「距離を置く」

こういったことを意識して実行し、一度自分の気持ちを落ち着けて平常心を取り戻してみましょう

冷静に落ち着いた状態なら「本当に一緒に居たいと思える相手なのか?本当に自分や相手は幸せなのか?」を振り返ってちゃんと考えることが出来るはずです。

 

中途半端な離れ方はNG!一度は完全に断ち切ること

心残りが理由となって、中途半端に繋がり続けるのは意味がありません。

「会わないけど連絡はとる」のような中途半端な関わり方は結局感情を揺さぶられてしまい、完全に冷静になることは出来ないのです。

なので心当たりがあるのなら一度全てをしっかりと断ち切ってから、考えることが本当に大切になります

割り切れないなら一度期限を決めてみる

どうしても未練があって気になってしまう場合は、関わらない期間を先に決めてしまうのも有効です。

例えば期限を「一ヶ月」と決めたら、その間は絶対に連絡もせず関わりを完全になくしてみてください。落ち着いて冷静になり、そこから関係性を見直せば本当に良い選択が出来るはずです。

ダブルバインドの使い方はあなた次第

矛盾したコミュニケーションで相手を束縛する「ダブルバインド」をご紹介しました。

【調教して気持ちを束縛する】【交渉を有利な方向に縛る】どちらも同じダブルバインドですが、扱い方も結果も大きく違うものになります。

強力なテクニックであることには変わりないので、「自分にとっての幸せと相手にとっての幸せ」だけはしっかりと考えて扱うようにしてくださいね。

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