嫌なことを後回しにしたい気持ちって誰にでもありますよね。でも、頻繁に先延ばしにしたり、自分にとって必要なことすら先送りにしてしまっているのは『先送り症候群』だからかも。「やらなきゃいけないこと」や「やりたいこと」になかなか取り組めない人は必見。『先送り症候群』の特徴と原因、対策法をお伝えします。
先送り症候群とは
先送り症候群とは、先延ばしにしてはいけないとわかっていても動けない人や、しなければいけないことでも頻繁に後回しにしてしまう状態のこと。
”先送り”自体は通常の精神状態の人でもやってしまう行為ですが…。
『やらなければいけない』と思う行為すら”理由なく”先送りにしてしまうことや頻繁に先送りにしてしまう点が異なります。
先延ばし症候群やPCN症候群と呼ばれることもあり、うつ病やADHDといった精神病・発達障害と併発することもあります。
問題を先送りにしがちな人の特徴
頻繁に物事を先送りにしてしまう『先送り症候群』。
周囲から引かれるばかりか、自己嫌悪に陥ることも珍しくない”先送り”を頻発してしまう人に共通する特徴をまとめました。
自分は先送り症候群になっているのかも…?と思う方は当てはまっていないかセルフ診断してみてください。
「あとで」が口癖
「あとでやるから大丈夫」
「あとでやろうと思ってた」
先送り症候群に陥っている人は”やらなければならないこと”だとわかっていてもなかなか行動に移せません。
そして、周りから催促される時に言い訳として出やすい口癖が「あとでやる」です。
「あとで」だと具体的に”いつ”だとか”いつまでに”やらなくてはならないといった『具体的な期限』を自分で意識できないので、結果的に「あとで」はいつになってもやってこないのです。
優先順位を決めるのが苦手
「これが終わったらやる」ができていない人は優先順位が決められていないから、本当にやらなきゃいけないことも先送りにしてしまいがち。
やらなくてはならないことが複数積み重なっている場合は優先順位をつけて片づけていくことが大切ですよね。
しかし、先送り症候群の人は優先順位をつけることが苦手です。
何かひとつのことに取り掛かっていると次にやるべきことよりも、今やっていること”が最優先されてしまいます。
結果としてすべてを後回しにしてしまい、大切なことや急ぎのことも見落としてしまうことになります。
オンオフの区別ができない
休日の”友達と会う予定”や”趣味”といったオフの日にやるイベント”
やりたくないことを先延ばしにしても、さほど大きな問題には繋がりませんし人に迷惑をかけることもありません。
でも、”やらなくてはならない仕事”や”期限のある学校の宿題”のような重要度が高いイベントも先延ばしにしてしまうのも特徴です。
時間を決めても守れない
先送り症候群になっている人にとって時間は関係ありません。
よくある「時間を決めてやる」「できたらご褒美」はただ失敗体験を産むだけになることがほとんど。
例えば数時間後の何時にこれをやろうと決めていたとしても、数時間経つと「あとでいいか」となってしまうことが多いです。
時間を決めていたとしてもそれが先の予定であれば何の意味もありません。
今すぐやるのでない限り、時間を決めたこと自体に満足してしまい結果的にはやらずに終わってしまうことが頻発します。
先送り症候群になる原因
嫌なことを避けたい気持ちはわかりますし、プレッシャーから逃れたい気持ちは共通意識。
先送り症候群になっている人は近年増加傾向にあると言われています。
増加の原因は”ストレス”にあると言われていますが、実際のところ先送りしてしまう原因はなんなのでしょうか?
集中力切れ
やらなくてはならないことが複数ある場合、片づけるためには時間が必要です。
しかし、処理するべきものが多すぎると集中力が続きません。
忙しい時に別タスクがきても、仕方なく先延ばしにしてしまうのは自然なことですが…。
あらゆることを先延ばしにした結果、所要時間がどんどん増えて集中力が途切れてしまいます。
結局後回しにせざるを得なくなり、「あれもやらなきゃ…」が無限に増えていく悪循環に陥ります。
嫌なことに対する逃避
先送りは嫌なことに対する逃避の場合もあります。
脳が嫌なことやキャパオーバーなことを処理しきれずにパンクして、止まってしまいがちに。
嫌なことを避けたい気持ちは誰にでもあることです。
しかし、全ての嫌なことを先送りにしてしまうと後に残った「やるべきこと」が全て『嫌なこと』になってしまいます。
嫌なことだらけな現状を目の当たりにし、どうしたらよいかわからず…。
結局、どれにも手を出すことが出来ない状態になってしまいます。
先送り慣れしてしまっている
仮にできたとしても、やる気が起きないのは自然なこと。
ただしあまりにも多すぎて頻繁に先送りにしていると「先送り慣れ」してしまいます。
マルチタスクにたくさんのことを効率よく処理できる人もいますが、ほとんどの人は一度に複数のことを処理できません。
どうしても後回しにしないといけないことが増えるのは自然なことです。
体調や別の用事などで一時的にやらなくてはならないことを中断することもあるでしょう。
ただ、何でも理由をつけて後回しにすることに慣れてしまうと、本当はできるはずのことも後回しにしてしまうという悪癖がついてしまう恐れもあります。
環境や育ちの影響
子供の頃に受けた教育や家庭環境も”先送り”の原因になります。
子供のころからある程度厳しく育った人は「やるべきことは早くやる」が自然と身についている子供も多いです。
しかし、親が子供に対して不干渉気味の家庭だと「早めにやっておく」教育もされていないことがほとんど。
何も言われなくてもできる子供はそう多くはありません。
何より親のだらしなさは子供に遺伝します。
親が先送りタイプの性格だった場合、子供も先送り性格になる確率が高いです。
病気の症状として
先延ばし症候群(PCN症候群)はADHDやうつ病をはじめとする精神疾患や発達障害の症状・原因の一つでもあります。
先延ばし症候群自体と併発することがあり、うつ病が進んだ結果先延ばしが増えてしまう事例も存在ます。
先送り症候群の対策法
先送り症候群の対策法は「考える前に動く」こと。
人は行動の前に思考を挟むと動けなくなる性質があります。
自分が「先送り症候群かも…」と感じたら、要チェック。
もちろん対策すら先送りになってしまうこともあるでしょうが…。
小さなことからやってみて、動く感覚を掴んでいきましょう。
考える前に行動する
「何をどうやってやるか」を考えてから動こうとすると、面倒くさがって結局やらずに終わってしまうことってありませんか?
先送りしないためには何か考え始める前にとりあえず「身体を動かす」のがおすすめです。
行動を起こす前に思考を挟むと体は動きません。体が動かないと自然とやる気はなくなってしまいます。
とにかく立ち上がって、何でもいいので体を動かしてみるようにしてみてください。
体が動くと心も動くので、その後アクティブに動けるようになります。
適当に体を動かすだけで、”だらけ防止”にも繋がります。
比喩ではなく立ち上がって背伸びをするとやる気が出ますよ。
将来のことを考えない
先々のことを考えるのは大切ですが、常日頃や行動を起こす直前になって考えても仕方ありません。
将来のことはまとまった時間に考えて、普段はやるべきことに直面するのが先送り対策になります。
将来のことは考え始めるとキリがありません。
しかも、将来のことは考えるだけで満足してしまうので、結果的に動かずに終わってしまうことがほとんどです。
将来のことを考えるのは余裕があるときに。
ゆっくり考える時間を作った方が思考も冴えます。
誰かと一緒にやる
”一人でやった方が効率が良い”ことや”人を巻き込まない方が良い”こともありますが…。
誰かと一緒にやることでモチベーションが維持でき、先送りを防止できるかもしれません。
特に『継続的にやらなければいけないこと』を一人でやるとどうしてもサボりがちになりますよね。
誰かと一緒にやることでお互いにやる気を保つことにも繋がりますし、継続する理由にもなります。
病院に行く
先延ばし症候群(PCN症候群)はADHDやうつ病をはじめとする精神疾患や発達障害の症状・原因の一つにもあります。
もしかして…と思ったら『病院に行く』ことも考えてください。
うつ病などの精神疾患の症状だった場合は、無理に直そうとすると逆効果になることも考えられます。
早急に専門医を受診してくださいね。
まとめ
先送り症候群の特徴と対策法をお伝えしました。
プライベートな先送りはさほど問題ありませんが、周りに迷惑をかけているのであれば要注意です。
「先送り症候群かも」と思ったらまずは原因を考えてみて、対処法を見つけるようにしましょう。